有限会社はやせ 取締役
株式会社ハピネス・ワン 代表取締役

廣江 秀信Hidenobu Hiroe

1970年12月10日、千葉県生まれ。『有限会社はやせ』に30年以上勤務、No.2として活躍し、2017年にフランチャイズオーナーとして『株式会社ハピネス・ワン』を設立。SPCのオリジナルブランドでもある『LUCIDO STYLE nature』を出店。現在も『有限会社はやせ』の役員を担いながら『ヘアーモード HAYASE 検見川浜店』の店長として現場に立ち、『LUCIDO STYLE』2店舗の代表として活躍している。

組織の鍵を握る『No.2』の在り方とは。郊外で好評を博すブランドサロンに迫る。

会社の『No.2』としてどう動くべきか。経営者とは違う視点が必要だった。

理美容学校を卒業後、㈲はやせに就職。同社が運営していた『ヘアーモードHAYASE千葉真砂店』に理容師として勤務。ところが19歳で入社し、約4年でなんと店長に。当時の理容師は床屋家業を継承することが多く、相次いでスタッフの退職が重なったことで、23歳の廣江代表に白羽の矢が立ったのだ。それから10年後、社内で最も大きな店舗『ヘアーモードHAYASE検見川浜店』にて、新人の頃から教育を受けていた店長が逝去したことを機に、その技術や教育を引き継ぐべく同店に異動し店長に就任した。
「若いうちから店長を勤めたことで、大変ながら色々な経験をさせていただきました。『ヘアーモードHAYASE検見川浜店』の店長を引き継ぎ実質的な会社のNo.2の立場を任されたとき、“どう動くべきか”とこれまで以上に葛藤し成長の必要性を感じました」

経営者交流はケミストリーのような相乗効果がおこる場所

『ヘアーモードHAYASE検見川浜店』で店長を勤めることとなった折に、もともと会員であった早瀬代表をきっかけとしてSPCに入会。
「当初は衝撃的でした。先輩経営者たちと環境がとてもエネルギッシュで刺激をもらい、自分なりに“No.2”としての立ち居振る舞いを考えました。たとえば自分のこだわりや価値観を抑え、サロン主体で考えながらその上で結果を出すことや、いかにして会社を支えていくかというところです。サロンでは教わらない具体的なノウハウを勉強する場所があるということがありがたかったですね」
他の経営者を通して会社を俯瞰で見ることで、以前と同じ言葉を言われた場合でも違う解釈が生まれ成長を実感できるという。経営者交流は、人や現場、新しい何かと出会うことでケミストリーのような相乗効果がおこる場所だと語った。

見学がきっかけで新サロンを開業。2足のわらじを履く経営者に。

はじめは準会員として会議に参加し、先輩経営者たちと交流を図るなど知見を広げたが、回を重ねるごとにある疑問にぶつかった。
「あくまでも会社のNo.2として参加していたため、実際の経営者の方と話をするたびに、“自分はリスクを負わない立場”という保守的なポジションであることを思い知らされ、このままでいいのだろうかという葛藤を抱いていました」
“No.2”とは、いわば代表の右腕であり会社を縁の下で支える重要な役割を担う。しかし、経営についての学びを深めるほど独立心が募り、ヘアサロン『LUCIDO STYLE』を見学したときにはすでに水を得た魚のごとく直感的に出店を構想したという。
「それから早瀬代表にもお力添えをいただいて、フランチャイズで『LUCIDO STYLE nature』を開業し正会員になりました。実際に経営者と交流を図り、様々な現場を見学することで自分の潜在能力が引き出された結果だと思います。“経営者”としての経験があれば、No.2としての動き方も自ずと見えてきましたね」
偶然か必然か、早い段階から責任のあるポジションを任され続けたことで経営者としての才覚を発揮した廣江代表はフランチャイズオーナーとして2017年に起業。2足のわらじを履くこととなった。

『No.2』が影響力を持つ会社は伸びる!逆転の発想がターニングポイント

通常、会社の代表が社員を先導するというのが一般的であるが、実体験から“No.2”という存在が活躍し経営者に影響を与えることで会社の伸びしろは何倍にも増えるのではないか、という思考に到達したときターニングポイントが訪れた。
「“もっとこうしたい”という意欲と行動に移せる能力をもって、“No.2”はただ支えるだけでなく時には力強く引っ張って、逆に経営者に影響を与えるくらいの存在でなければ事業拡大は難しいのではないかと実感しました」
こうして、㈲はやせで運営に行き詰まっていた2店舗を併合し、自社である㈱ハピネス・ワンより『LUCIDO STYLE』2店舗目としてリニューアル出店を果たしサロンは息を吹き返した。
「1店舗目を出店した当初は苦労もありましたが、こういったかたちで2店舗目を展開でき、No.2にも自由に活躍するチャンスを与えてくれたからこそ軌道に乗せることができたので、早瀬代表には感謝しています」
廣江代表がNo.2として経営に参画、手腕を発揮したことで㈲はやせの将来性は広がりを見せることとなった。

郊外にブランドサロンを出店。たしかな実績とノウハウがある。

『LUCIDO STYLE』では、他店にはない独自のスタイルをブランディングし常に新しいものを取り入れ開発していくオリジナルのブランド力を重視している。
「たとえば、人気メニューの“ヒートスタイルカール”ってありますよね、スタッフからも施術の話を聞くのですが、そこで一度考えてみるんです。では、『LUCIDO STYLE』ならではの“ヒートスタイルカール”とは何か、と。他店のマネをするのではなく、自店にしかない独自の価値を生み出すやり方こそが『LUCIDO STYLE』ではないかと考えています」
流行に乗るのではなく、自らが流行を作り出す“自分たちでブランドを作っていく”という姿勢こそが当サロンのスタイルであり強みだ。
構築したブランド力と時代に合わせた柔軟なブランディングで郊外でも続々と出店を果たすなど、サロンは好評を博している。

 

組織の鍵を握る『No.2』の育て方

そもそもはじめに廣江代表をSPCに参加させた早瀬代表の判断には勇気が必要だったのではないかと話す。
「通常、経営者は社員を外に出すことを敬遠すると思うんです。しかし早瀬代表はあえてNo.2である自分に力をつけさせるという判断をした。必ず自社に還元してくれるという信頼関係がなければ成立しないことです」
社内で囲うのではなく、思い切って社外へ学ばせた早瀬代表の勇敢な背中を見て、現在はNo.2という立場だからこそわかること、経営者とは違った視点からスタッフの育成を思索している。
「組織の将来性を左右するのは“No.2”の力量です。よりレベルの高い経営学を身につけるためにSPCを活用するのも良いと思います。今後は、代表である自分に影響を与えてくれるようなNo.2を育てていくことが目標ですね」
異なる立場と視点を併せ持つハイブリットな廣江代表は現在も、㈲はやせの役員を担いながら『ヘアーモード HAYASE検見川浜店』の店長として現場に立ち、『LUCIDO STYLE』2店舗の代表として活躍している。

INTERVIEW DATA

会社名
株式会社ハピネス・ワン
代表
廣江 秀信
創業
2017年10月1日
店舗数
2店舗
スタッフ数
20名
本社所在地
千葉県千葉市美浜区真砂3-28-2-1010
取材店舗名
LUCIDO STYLE nature.to
店舗所在地
千葉県千葉市若葉区千城台北3丁目21-1 イコアス千城台2F
URL
https://natureto.lucido-style.net